KAHO IWAYA
No.06
( Tattoo Designer )
Instagram :
@poxn
ポートランドのタトゥー文化に影響を受け、日本のタトゥー文化の可能性を拓くため、2015年に〈opnner〉を立ち上げる。タトゥーシールの制作・販売を行うほか、タトゥーの図案も手がけている。
「タトゥーとは、身体が変化しても人生と共に歩むことができる最高の励ましであり、永遠のジュエリー。」この思いを伝えるため、タトゥーに対するイメージを変える“入り口”としてopnnerを続けている。また、考えを表現する手段として、文筆やイラストの仕事も行っている。
その日の気持ちを、肌にのせる
Question1:
ルーティンの中で、好きな時間は?
A:仕事を始める前の掃除の時間が好きです。デスク周りをきれいにしたり、道具を使いやすい位置に配置し直したりする時間が、気持ちを整えてくれます。また、新しい制作を始めるときは気分を変えたくて、大きく模様替えをすることも多いです。部屋の大きな家具を動かしたりして空間を整えると、気持ちもすっきりして新しいアイデアが自然と入ってくる気がします。
Question2:
自分の気分を上げるためにしていることは?
和菓子を買ってお茶と楽しんだり、大きな本屋にふらりと立ち寄ったりします。本を選ぶときは、あらすじを眺め、その時の自分がピンとくる一冊を探す時間が好きで、ジャンルを問わずいろいろな棚を巡ることが多いです。文芸誌や教養書まで幅広く読むようにしていて、付箋を貼ったり、最後に読んだ日付を書き残したりと、自分なりの記録を残すようにしています。その中でも、パウロ・コエーリョの「アルケミスト」は何度も読み返した本トップスリーに入る一冊です。



Question3:
タトゥーシールを作ろうと思ったきっかけは?
昔からタトゥーに興味があり、ポートランドを訪れた際に、初めて実物を多く目にできました。そこでは、その土地に根ざした動物や草木のモチーフを取り入れている人も多く、とても印象に残っています。ある日、ボールペンで肌に落書きをしていたのですが、服が汚れてしまうこともあり、そこからタトゥーシールを作り始めたのがきっかけです。思い返せば、幼いころから母が手作りのもので部屋を彩っていたり、父が石鹸の箱でカメラを作ってくれたこともあり、欲しいものは買うだけでなく、自分で作るという感覚が自然と身についていたのだと思います。
Question4:
デザインのアイデアは、どのように浮かびますか?
絵がブワッと生まれる時もあれば、文章からコンセプトを組み立てることも多いです。制作は、最初にテーマを決めて描き始めることが多く、そのテーマを軸に広げていきます。記号の歴史や意味について書かれた本をきっかけに調べていく中で、それが柄に繋がることもあります。また「馬が描きたい」といった衝動から生まれることもあれば、普段見ている背景の中から、窓枠や街中に佇むモチーフを取り入れることもあります。色の組み合わせも日々変化していて、そこで自分の気分の変化が見えるのも面白いです。
Question5:
デザインをする上でこだわっていることはありますか?
タトゥーシールは明るい黄色などが肌にのりにくいため、少し濃いトーンを選ぶようにしています。身につける場所を想像しながら、サイズ感や曲線に沿った見え方など、細かなバランスを大切にしています。また、ひとつのデザインに納得できるまで、何度でも描き直します。それはもはや自分自身の修行のためでもあり、そのときの自分のムードを確かめるためでもあります。同じように見えるものでも手を動かし続けることで、少しずつ自分の中でしっくりくるかたちに近づいていきます。
Question6:
タトゥーシールを通して、どんな気持ちや体験を伝えたいですか?
初めたての頃はいつかタトゥーへのタブー視がなくなって、タトゥーシールが必要なくなるくらいになればいいなと思っていました。でも実際に使ってくださる方を見ていると、気分で選べたり、誰かにプレゼントできたりと、シールだからこそ生まれる楽しさがあると感じています。タトゥーシールを通して伝えたいことは、その瞬間を見つめていく自分への集中力だったり、自分の気持ちを自由に表現できる感覚や、日常の中に小さな高揚感を持てる体験です。ジュエリーのように身につけたり、お守りのように寄り添ったりしながら、それぞれの感覚で楽しんでもらえたら嬉しいです。
透け感のあるトップスに花柄のインナーを重ねて、今日の気分に寄り添うスタイリングにしました。ボトムスは、30歳の記念にオリジナルで作ったリーバイスのデニムを合わせました。デニムは普段から仕事着としてよく穿いていて、オンオフをしっかり切り替えるために硬い生地を選ぶことが多いです。アクセサリーは、自作のボタンベルトをポイントに、ネックレスは友人が作ってくれたものと、ベルリンの美術館で購入した象牙のサイコロ柄のものを重ね付けしています。タトゥーシールは、その日の気分で付ける場所やデザインを変えて楽しんでいます。
Tops_Sheerborder Knit Shirts
他、本人私物
